第七十八番  /  高室山 浄光院 愛染寺 （ あいぜん ）

当山は、慶長十年(一六〇五) 三月、僧畠山快雲によって創立れました。
快雲は武州の人で、畠山重忠の遠裔（とうえん）になります。当時、備前国金剛寺に初代住職として住しておりました快雲を、ちょうど津山城築城をするため美作の地に入封した森忠政候が、西寺町の町づくりのために、この地に招聘（しょうへい）致しました。
創立当時は、高室山愛王院金剛寺と号しました。その後、第三世専啓の時代に愛染寺と改めました。当時森長綱候祈願所となり、末寺院も美作地内に多くありました。
建造物に関しては、二世快英の承応年中に盛んに建立され、十五仏堂がこの時期にほぼ完成しました。
明治六年、血税一揆が勃発し、北条県設立中の小学校と見違えて、当寺教学院を破壊しました。その後、明治九年(一八七六) 火災により鐘楼門、山門、倉庫以外が全焼しました。時を経て大正三年より再建に着手、現在に至っております。