第八十八番  /  一乗山 普門院 霊山寺 （ りょうせんじ ）

創建は南都一乗和尚の開基にして昔、普門院奥の坊他九坊を有し隆盛をきわめましたが、元弘の頃六坊が武家に属し、次第に廃坊となりました。後、竹山城主新免伊賀守が寺領九町五反歩を寄進しました。
天正七年(一五七九)、草刈の兵乱にかかり、寺坊は衰え、普門院の一坊だけになりました。
元和年中、円宥上人が普門院を再興しました。この時に当たり、野時村に霊山寺と称する同宗にして衰廃の寺がありました。この寺を普門院と合併し、寺号を一乗山霊山寺と改称し、これより以降住職を継いでいます。
中祖円宥上人の後、第八世教天上人の時に当たり、天明五年 (一七八五)六月五日の火災のため、寺院建物旧記什物をすべて失いました。享和二年(一八〇二)八月、九代住職宥尊上人が檀徒と協力して再建、現在に至っています。